受注CSVを二重に取り込んでしまった時の戻し方と、そもそも重複させない取込ルール
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締め時間の直前、CSVを取り込んだのに画面がなかなか切り替わらない。通ったかどうか不安になって、もう一度同じファイルを取り込んでしまった——。悪気なく起きる事故ですが、結果は同じ注文が2件登録され、出荷や請求が二重になりかねません。
この記事では、受注CSVを二重に取り込んでしまったときにまず何を確認すべきかと、それ以上に大事な「そもそも重複させない取込ルール」を、公式マニュアル・FAQで確認できる範囲で整理します。
二重登録は、だいたい同じパターンで起きる
事故のきっかけを見ていくと、原因はいくつかのパターンに絞られます。
- 通った確証がないまま、もう一度流す。処理中の画面が長く固まる、ネットワークが不安定、といった理由で「たぶん失敗した」と判断し、確認せずに再送信する
- 複数人が同じCSVを別々に取り込む。担当者Aが取り込んだことを担当者Bが知らず、同じファイルをもう一度流す
- 取込口を取り違える。複数の店舗・取引先ぶんのCSVを扱っている場合、別の取込先に同じ内容を投入してしまう
- ファイルを分割して流したはずが、範囲が重なっていた。大量データを分割送信する際、区切り位置を誤って一部の行が両方のファイルに含まれる
共通しているのは、「通ったかどうか分からない」不安が引き金になっていることです。つまり、二重登録を減らす一番の近道は、不安を「もう一度流す」以外の方法で解消できるようにしておくことだと言えます。
まず確認すること: 「取り消せるか」は製品ごとに違う
二重登録に気づいたとき、多くの人がまず考えるのは「削除して元に戻したい」です。ただし、この可否と手順は製品によって大きく異なります。
たとえばfutureshopの公式FAQでは、ダウンロードした受注CSVファイルの中に含まれる重複行を、Excelの「重複の削除」機能(データタブ)で除去する手順が案内されています。先頭行を見出しとして扱い、「受注コード」列を基準に重複を判定させる、という方法です。これは取込前のファイル側の重複を防ぐ方法であり、システム側にすでに二重登録されてしまったデータを消す機能とは別物である点に注意してください。
システム側に登録済みのデータの取消・削除がどこまでできるか(全部消せるのか、出荷・請求済みなら消せないのか、削除ではなく取消伝票を起こす形なのかなど)は製品ごとに設計が違い、この記事では断定できません。「もし二重登録したら、どこまで取り消せるか」は、事故が起きてから調べるのではなく、平時にお使いのソフトのマニュアルやサポート窓口で確認しておくことをおすすめします。 締め時間の直前に初めて調べるのでは、間に合わないことがあります。
そもそも重複させない取込ルール
事後の取消よりも、重複が起きにくい取込の設計を先にしておくほうが、現場の負担は小さくなります。
1. 伝票番号・注文番号を必ず持たせる
重複を判定するには、何をキーに「同じ注文」と見なすかが要ります。FAXや手書きの注文書には、取引先側の管理番号が書かれていないことがよくあります。番号が無いなら、受注する側で採番してください。規則は重複しなければ何でもよく、「取引先コード+受注日+連番」のような形が扱いやすいものです。大事なのは、同じ注文書を二度取り込んでも同じ番号になる規則にしておくことです。番号がバラバラだと、システム側が重複を検知しようがありません。
2. 新規登録/上書きのどちらのモードかを毎回確認する
多くの取込機能には、既存データをどう扱うかの設定があります。速販UXの公式マニュアルでは、楽天市場・Amazonいずれの受注CSV取込でも「同一注文を上書きする」というチェック項目があり、オンにすれば既存の受注データを上書きし、オフのままだとすでに取り込まれている受注データ(重複注文)は無視されると案内されています。複数のモールに対応した製品では、モールが違っても同じ考え方の設定が用意されていることが多いということです。
このチェックが入っているかどうかを確認せずに取込を繰り返すと、①オフのまま重複が無視されて「気づかないうちに安全だった」場合と、②オンのまま意図せず上書きされて「本当は別の注文だったのに消えた」場合の両方が起こり得ます。取込のたびに、今回はどちらのモードで流すのかを意識してください。
3. 取込口・ファイルを限定する仕組みを使う
複数の店舗・取引先を扱っている場合、正しいファイルを正しい取込口に投入する前提が崩れると、意図しない二重登録につながります。ネクストエンジンの公式マニュアルでは、取り込むファイル名をあらかじめ登録しておき、それ以外の名前のファイルを取り込もうとするとエラーで弾く「受注一括登録制限」という機能が紹介されています。設定は「設定>受注>一括登録制限」から行うとされています。こうした「決めたファイルしか通さない」仕組みがあるソフトでは、有効にしておくと取り違えによる事故を機械的に防げます。
4. 「不安だからもう一度流す」をやめる
これが実は一番効きます。取込結果の画面が固まって見えても、実際には処理が進んでいることがあります。再送信する前に、まず取込履歴・アップロード結果を確認する習慣に置き換えてください。多くのソフトには取込の履歴やログが残る仕組みがあります。履歴を見れば、通っているかどうかはその場で分かり、「念のためもう一度」を防げます。取込履歴の見方は、事故が起きる前に一度確認しておいてください。
検算とセットで、二重登録にも早く気づく
重複を完全にゼロにはできない前提で、CSVを取り込んだのに件数が合わない — 「エラーは出ていないのに一部だけ入っていない」の原因と検算のしかたで紹介した検算の考え方は、二重登録の発見にもそのまま使えます。「今日受け取った注文書の枚数」「取り込む直前のCSVの伝票行数」「取込結果の登録件数」の3つを突き合わせたとき、登録件数の方が明細行数より多ければ、弾かれたのではなく重複している疑いがあります。件数がずれる方向によって、抜けなのか重複なのかの見当がつくということです。
まとめ
| 場面 | やること |
|---|---|
| 取込中に画面が固まって不安 | もう一度流す前に、取込履歴・アップロード結果を確認する |
| 二重登録に気づいた | 削除・取消の可否と手順は製品ごとに違うため、お使いのソフトのマニュアル・サポートで確認する(平時に確認しておくのが理想) |
| 複数店舗・複数取引先を扱う | ファイル名を限定する機能があれば有効にし、取込口の取り違えを防ぐ |
| 恒常的な予防 | 伝票番号を必ず持たせ、新規登録/上書きのモードを毎回意識する |
二重登録は、慌てているときほど起きやすい事故です。落ち着いて履歴を確認する習慣と、同じ注文書なら同じ番号になる採番ルールの2つがあれば、多くの場合は防げます。
手前味噌の紹介
この記事を書いているのは、注文書特化サービス注文書係(ちゅうもんしょがかり)の運営者です。FAX・手書きの注文書をアップロードするとAIが下書きを作り、担当者は自信のない項目だけを確認して確定します。転記にかかる時間を1/10程度に圧縮することを狙ったサービスです。
確認画面では、原本と抽出結果を並べて1件ずつ目で見て確定する形になっているため、同じ注文書をうっかりもう一度アップロードしても、確定済みかどうかを見ながら作業するので気づきやすくなります。品目マスタとの突き合わせにも対応しており、CSV出力の列構成も一度登録すれば毎回同じ形式になります。
「通ったか不安だから、もう一度」を繰り返している方は、無料トライアル(30枚または14日間、クレジットカード登録不要)で、実際にお使いの帳票との相性を確かめてみてください。