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FAXは本当になくなるのか — 学校現場の「2025年度に原則廃止」と、卸売業は「共存」が現実という話

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「FAXはもう時代遅れ」「そのうちなくなる」——ニュースや取引先との雑談で、そんな言葉を耳にすることが増えてきました。毎日FAXで注文を受けている卸売の現場だと、気にはなります。「いつかなくなるなら、今のうちに何か手を打つべきなのか」「それとも、まだ当分このままでいいのか」——判断の軸がほしいところです。

この記事は、受注業務でFAXを使い続けている方に向けて、「FAXは本当になくなるのか」を公開情報をもとに整理したものです。結論を先に書くと、制度の世界ではたしかに「なくす」方向へ動いていますが、卸売・製造の現場は当面「共存」が現実です。この2つは矛盾しません。そして、どちらの立場に立っても、受注業務が今やって損のない一手は同じところに落ち着きます。

「なくす」方向は本物 — 政府は学校現場のFAXを2025年度中に原則廃止

まず、「FAXをなくす」という話が一部で本気で進んでいるのは事実です。象徴的なのが教育現場です。

政府のデジタル行財政改革会議は、2023年12月20日の「中間とりまとめ」で、教育現場でのFAXの使用と押印を2025年度中に原則廃止する方針を決定しました(出典: 内閣官房 デジタル行財政改革 中間とりまとめ(2023年12月20日)、参考: 教育業界ニュース ReseEd「学校のFAXや押印は原則廃止へ」)。

背景には、学校現場のFAX依存の根深さがあります。文部科学省の調査では、小中学校のおよそ96%が業務にFAXを使っているとされ、校務のデジタル化はまだ道半ばです(出典: 教育業界ニュース ReseEd「生成AIは2.5割、FAXは9.5割が使用…いまだ道半ばの校務DX」)。だからこそ、期限を切って「原則廃止」と踏み込む必要があったわけです。

ここで押さえておきたいのは、この「原則廃止」はあくまで教育行政の内部(教育委員会と学校の間の連絡など)の話だということです。民間の卸売業や製造業に「FAXをやめなさい」と号令がかかったわけではありません。とはいえ、公的な文書のやり取りからFAXを外していこうという流れが、社会全体のトーンとして強まっているのは間違いありません。

それでも卸売・製造の現場は「共存」が現実

一方で、民間の受発注の現場に目を移すと、景色はだいぶ違います。

FAXの利用は年々減ってはいるものの、卸売業・製造業・建設業などでは、いまも受発注の基本インフラとしてFAXが残っています。理由はこの連載で何度か触れてきたとおりで、突き詰めると**「取引先がFAXを使っている限り、受注側だけではやめられない」**という一点に集約されます。自社だけが先にFAXをやめれば、注文が届かなくなるのですから、それは業務上のリスクでしかありません。

この「取引先都合でやめられない」構造は、感覚論ではなくデータでも裏づけられています。製造業の受注業務担当者を対象にした2024年の公開調査では、FAXでの受領が7割を超え、やめたいと考える人が9割近くにのぼる一方で、取引先の都合があるため移行できないという回答が6割を占めました(この調査の詳しい数字は製造業のFAX受注、手入力をやめたいのにやめられない理由 — 調査データと受注側からできる一歩で紹介しています)。「やめたいのにやめられない」——多くの現場の本音がここにあります。

大企業の受注DXの事例を見ても、実態は「FAXの全廃」より「共存」に近いことがわかります。取引先をWeb発注に移行させつつも、どうしても残るFAXはOCRでデータ化したり、EDI(電子データ交換)を併用したりして、FAXを残したまま負担だけを軽くするケースが目立ちます。「一気にゼロにする」のではなく「減らしながら付き合う」のが、現実的な落としどころになっているということです。

「なくなる/なくならない」の二項対立から抜ける

こうして並べてみると、「FAXは本当になくなるのか」という問いには、実は一つの答えがありません。

  • 教育行政のように、期限を切って「原則廃止」に踏み込む領域もある
  • 卸売・製造の受発注のように、取引先都合で当面「共存」が続く領域もある

自社の受注FAXがいつなくなるかは、突き詰めると自分では決められないのです。それは取引先が決めることであり、業界全体の流れが決めることでもあります。数年で大きく変わるかもしれませんし、思ったより長く残るかもしれません。

だとすると、「いつなくなるか」を予想してそれに賭けるのは、あまり割のいい考え方ではありません。なくなる時期に合わせて準備しても、その時期自体が読めないからです。**「なくなるかどうか」ではなく「なくなるまでの間、どう楽をするか」**に問いを立て直したほうが、答えが出しやすくなります。

受注業務にとっての現実的な一手

では、どちらに転んでも損をしない一手は何か。それは、FAXが届く仕組みはそのままに、届いたあとの「手入力」を軽くすることです。

理由はシンプルです。FAXがこの先なくなろうと残ろうと、「取引先から届いた注文を基幹システムに転記する」という作業は、形を変えて残り続けるからです。仮に将来Web発注やEDIに移っても、そのデータを社内の販売管理システムに取り込む段取りは必要になります。つまり、「受け取ったものを社内システムに入れる」という工程の効率化は、FAXの寿命とは関係なく効いてくる投資なのです。

逆に、いちばんもったいないのは「そのうちFAXはなくなるだろうから」と何もせず、毎日の手入力を続けてしまうことです。その「そのうち」がいつ来るかは誰にもわからないのに、待っている間の転記の負担は、今日も明日も確実に発生し続けます。

取引先にWeb発注へ移ってもらうのは相手都合で簡単には進みません。その現実を踏まえて、取引先を変えずに受注側だけでできる効率化の全体像はFAX受注はなくせない。でも「手入力」はなくせる — 取引先を変えない効率化に、そもそも取引先がFAXをやめてくれない背景は取引先がFAXをやめてくれない — それでも受注側だけで楽になる方法にまとめています。

FAXがなくなるのを待つのではなく、なくなるまでの間の負担を今のうちに減らしておく。それが、どんな将来にも無駄にならない構えだと考えています。

手前味噌の紹介

この記事を書いているのは、注文書特化サービス注文書係(ちゅうもんしょがかり)の運営者です。FAX・手書きの注文書をアップロードするとAIが下書きを作り、自信のない項目だけを黄色で示すので、担当者は怪しい箇所だけを確認すればCSVが出力されます。届いたFAXはこれまでどおり受け取り、その先の「基幹システムへの転記」だけを軽くする——FAXがなくなるかどうかに関係なく効いてくる道具です。

料金は月9,800円(税抜)から、初期費用は0円。無料トライアル(30枚または14日間、クレジットカード登録不要)で、まずはいちばん読みにくい取引先の注文書との相性をお確かめください。

よくある質問

Q. FAXは本当になくなるのですか?
領域によって話がまったく違います。制度の世界では「なくす」方向へ動いており、政府のデジタル行財政改革会議は2023年12月の中間とりまとめで、教育現場でのFAXの使用と押印を2025年度中に原則廃止する方針を決めました(背景に、小中学校のおよそ96%が業務にFAXを使っているという文部科学省調査があります)。一方で、卸売業・製造業・建設業などの受発注では、FAXはいまも基本インフラとして残っています。減ってはいるものの、取引先がFAXを使う限り受注側だけではやめられないため、当面は共存が続くというのが記事の整理です。
Q. 学校現場のFAX原則廃止は、卸売業や製造業にも適用されますか?
適用されません。政府が2025年度中の原則廃止を決めたのは教育行政の内部(教育委員会と学校の間の連絡など)の話で、民間の卸売業や製造業に「FAXをやめなさい」と号令がかかったわけではありません。ただし、公的な文書のやり取りからFAXを外していこうという流れが社会全体のトーンとして強まっているのは事実で、記事ではその事実と、民間の受発注が当面は共存である現実の両方を、公開情報をもとに整理しています。
Q. 自社のFAX受注は、いつなくなると考えて準備すればいいですか?
いつなくなるかは自分では決められない、というのが記事の立場です。受注FAXがいつまで続くかは取引先が決めることであり、業界全体の流れが決めることでもあるため、時期を予想してそれに賭けるのは割のいい考え方ではないとしています。そこで記事では「なくなるかどうか」ではなく「なくなるまでの間、どう楽をするか」に問いを立て直すことを勧めています。
Q. FAXがなくなるかどうかわからないのに、今から対策する意味はありますか?
あります。FAXがこの先なくなろうと残ろうと、「取引先から届いた注文を基幹システムに転記する」という作業は形を変えて残り続けるためです。仮に将来Web発注やEDIに移っても、そのデータを社内の販売管理システムに取り込む段取りは必要になります。つまり「受け取ったものを社内システムに入れる」工程の効率化は、FAXの寿命とは関係なく効いてくる投資だと記事では説明しています。もっともったいないのは、なくなるのを待って毎日の手入力を続けることだとしています。

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